話題のボカロP・Neruさんの新曲「電脳殺意」が、まさかの公開停止になりました。
歌詞に入っていた「finna」という英単語が原因らしいのですが、正直「finnaって何?」となった方も多いはずです。
この記事では、Neruさんの公開停止に至った歌詞の意味と、finnaの何がダメだったのか理由を、経緯から本人の対応まで順番に整理していきます。
Neru「電脳殺意」が公開停止に、何が起きたのか
まずは、今回の騒動がどう動いたのか、時系列で整理しておきますね。
流れを追うと、話はそこまで複雑ではありません。
Neruさんは、2026年7月31日19時に新曲MV「電脳殺意(cyber_bloodlust)」を公開しました。
自身のXでも「新曲『電脳殺意』公開しました」と投稿し、YouTubeとニコニコ動画の両方にリンクを載せています。
ボカロのオリジナル新曲としてはかなり久しぶりの投稿で、公開前から国内外のファンが待ちわびていた一本でした。
反応も上々で、iTunes Storeのアニメトップソング部門では日本で38位、オーストラリアで25位にランクインするなど、順調な滑り出しだったんですよ。
ところが公開からちょうど2週間後の8月14日、事態が動きます。
歌詞に含まれる英語表現に対してSNS上で指摘の声が上がり、その日の昼過ぎ、Neruさん本人が謝罪コメントを投稿しました。
そのうえで、YouTubeやニコニコ動画といった動画共有サービスで「電脳殺意」を公開停止にし、歌詞の一部を修正したうえで改めて投稿する方針を示しています。
わずか2週間での方針転換ですから、なかなかのスピード感です。
謝罪の内容や指摘の中身については、このあとの章で詳しく見ていきますね。
電脳殺意はどんな曲?重音テト・音街ウナ・鏡音レンが参加
先に、そもそも「電脳殺意」がどんな曲なのかも押さえておきましょう。
内容を知っておくと、後半の話がぐっと分かりやすくなるはずです。
「電脳殺意」は、重音テト・音街ウナ・鏡音レンの3人がボーカルを担当し、作詞作曲編曲をNeruさんが、イラストと映像をlunuiさんが手がけた楽曲です。
投稿者コメントによると、ネットに救いを求めながら憎悪や孤独、承認欲求にのみ込まれていく人物の心情を描いた作品とのことでした。
葛藤を処理しきれなくなった心がエラーを吐いて停止していく様子を、歌詞の欠損や文字化け、構文エラーといった表現でも再現しているんですよね。
このコンセプト、地味に凝ってるなと思います。
動画の概要欄に並んでいる「46 49 4e 44 20 4d 45」という数字の羅列も、16進数のASCIIコードとして読み解くと「FIND ME」という英文になるそうです。
そこまで仕込むか、と。
実際、公式の歌詞ページを確認すると、サビの一部が伏字のような表示になっていました。
問題視された英語のフレーズは、まさにこの部分です。
歌詞テキストとしては伏字なのに、歌唱パートではしっかり発音されているという、なんともちぐはぐな状態になっていたんですよ。
もともとは「文字化け」という曲の演出のための表現だったはずです。
それが結果的に、問題の一節をぼかす形になっていたのは、偶然にしても妙にできすぎているような気がしています。
これはあくまで、調べていて感じた私の推測です。
「finna」の意味とは?アフリカ系アメリカ人の英語(AAVE)由来のスラング
ここからが本題、「finna」というワードそのものについてです。
聞き慣れない単語ですが、由来を知ると納得できる部分も多いんですよ。
finnaは、英語の「fixing to」が崩れてできた略語で、意味としては「〜するつもり」「今から〜する」に近いニュアンスです。
日本語で言うと「〜しよかな」くらいの、わりとカジュアルな言い回しなんですよ、これが。
そのうえで押さえておきたいのが、finnaという言葉自体に差別的な意味合いはないということです。
侮蔑的なスラングではなく、あくまで意図や計画を表す口語表現なんですよね。
なぜ特定のコミュニティの言葉とされているのか
ただし、finnaにはひとつ重要な背景があります。
この単語は、アフリカ系アメリカ人の英語(AAVE、African American Vernacular English)に由来する表現なんです。
もともとアフリカ系アメリカ人のコミュニティの中で使われてきた言葉で、その後SNSなどを通じて広く一般にも浸透していきました。
つまり「誰でも知っている流行語」に見えて、実は特定の文化的背景を持つ言葉だった、というわけです。
このあたりの事情、正直わたしも今回調べて初めて知りました。
finnaの何がダメだったのか、批判が広がった理由
では、finnaを使ったことがなぜここまで批判につながったのか。
ここは賛否が分かれるところなので、両方の意見を紹介しておきます。
批判的な立場の意見としては、finnaがアフリカ系アメリカ人の文化に根ざした言葉であるにもかかわらず、その背景に関係のないNeruさんが歌詞に取り入れたことへの違和感が挙げられていました。
いわゆる文化盗用に近い問題意識ですね。
一方で、finnaという単語自体に侮蔑的な意味はなく、すでに広く使われている表現である以上、そこまで問題視するのは行き過ぎではないかという声も少なくありませんでした。
いわゆる「言葉狩りでは」という意見です。
英語圏の反応を実際に確認した人からは、擁護する側の意見も相当数あったと伝えられています。
正直なところどっちの言い分も分かるので、これはもう「正解のない話」なんやと思います。
逃げているわけではなく、本当にそう感じています。
ただひとつ言えるのは、ボカロやSNSを通じて楽曲が世界中に届くスピードが年々早まっている以上、こうした文化的な背景を知らずに使ってしまうすれ違いは、Neruさんに限らず今後も起こりやすくなっていくのではないかということです。
Neru本人が投稿した謝罪コメントの内容
続いて、Neruさん本人の対応についてです。
ここは事実として、はっきり押さえておきたいポイントです。
Neruさんは2026年8月14日、Xにて「新曲『電脳殺意(cyber_bloodlust)』の歌詞についてのお詫び」と題した投稿を行いました。
そのうえで、動画共有サービスで楽曲を公開停止にし、歌詞の一部を修正したうえで再投稿する方針を明かしています。
謝罪文の一言一句をそのままお伝えすることはできませんが、内容を要約すると、意図せず誰かを傷つける結果になったことへの謝罪と、歌詞を見直す判断をしたという趣旨のコメントでした。
なお、Apple MusicやSpotifyといった音楽配信サービス側の楽曲がどう扱われるのかについては、この時点でははっきりした情報を見つけられませんでした。
実際、SNSには「いま購入していいものなのか」と戸惑うファンの声も上がっていたんですよね。
指摘を受けてから謝罪、そして公開停止までの判断が、かなり早かったのが印象的です。
修正版がどんな歌詞になるのかはまだ分かりません。
ただ、曲全体のコンセプトを変える必要はないはずなので、問題になったフレーズだけを近いニュアンスの別の英語表現に差し替える程度の調整になるのではないかと予想しています。
ファンや音楽関係者の反応は賛否両論に
最後に、この件に対する周囲の反応もまとめておきます。
一枚岩ではなく、いろんな温度感の声があったのが印象的でした。
Neruを擁護する声
「Neruさんは何も悪くない」「ネイティブでない以上、間違えるのは当然」といった、本人を全面的にかばう声は数多く見られました。
普段からファンを傷つけることを嫌がる人柄で知られているだけに、今回の一件でNeruさんを責める気にはなれない、という意見も目立ちます。
対応そのものを評価する声
一方で、擁護のスタンスは同じでも、切り口が少し違う声もありました。
自分は傷ついていないから問題ないと擁護するのではなく、誰かを傷つける可能性に向き合って行動を改めたこと自体に敬意を示す、という立場です。
同じ「擁護」でも視点が違うのが、今回のちょっと面白いところなんですよね。
作詞作曲に関わる立場の人からも、Neruさんの判断に敬意を示すコメントが寄せられていました。
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まとめ
最後に、この記事の内容を整理しておきますね。
- Neruさんの新曲「電脳殺意」は2026年7月31日に公開された、久しぶりのボカロオリジナル曲だった
- 歌詞に含まれる「finna」という英単語が、アフリカ系アメリカ人の英語(AAVE)由来のスラングであることが指摘された
- finna自体に差別的な意味はないが、文化的背景を知らずに使ったことへの批判が広がった
- 一方で「言葉狩りでは」という反対意見も根強く、賛否が分かれる形になった
- Neruさんは8月14日に謝罪コメントを投稿し、全プラットフォームで楽曲を公開停止にした
- 歌詞の一部を修正したうえで、後日再投稿する方針が示されている
調べていて感じたのは、finnaという言葉自体は決して「悪い言葉」ではないということです。
ただ、その言葉が育ってきた背景まで含めて向き合うかどうかで、受け取られ方がこんなにも変わるんだなと、あらためて考えさせられました。
これ、ボカロや音楽の話に限った話でもないんですよね。
わたしたちの身の回りでも、子どもが使っているネットスラングの由来まで知らずに聞き流していること、意外とあるんじゃないでしょうか。
Neruさんの今回の対応は、ファンにとっても、作り手にとっても、ひとつの誠実な着地点になったのではないかと思います。
修正版の「電脳殺意」がどんな形で戻ってくるのか、楽しみに待ちたいと思います。


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