Netflixの「ガス人間」を見終わって、まっさきに「え、京子が黒幕だったの?」と声が出た人、私だけじゃないと思います。
しかも記者という立場でガス人間を追いかけながら、実は正体を知っていたという二重生活。
この記事では、甲野京子がなぜ”知らないフリ”を続けていたのか、その本当の理由をネタバレ込みで整理していきます。
配信者の兄妹にわざわざ調べさせた謎の行動についても、私なりの考察を交えながら解説していきますね。
甲野京子はガス人間の黒幕だったの?まずは結論から
結論から言うと、ガス人間(レン)を裏で操っていたのは、記者の甲野京子でした。
レンは意思を持たない状態で、京子の指示に従って動いていたというのが、この物語のいちばん大きな仕掛けなんです。
正直、序盤は京子も岡本と一緒に「謎の犯人」を追う被害者側だと思って見ていたので、7話あたりでこの事実が判明したときはソファから飛び上がりました。
ただ、京子の上にはさらに東京都知事の三浦と、裏組織「無風」の存在があったこともわかってきます。
つまり黒幕は一人ではなく、段階を追って明らかになる多層構造だったんですよね。
この時点で「じゃあ京子は単純な悪者なの?」と思う方も多いと思うので、次の章でそのあたりを深掘りしていきます。
甲野京子が”知らないフリ”をした本当の理由
知恵袋などでも「京子は正体を知っていたのに、知らないフリをして取材していたのか」という質問がいくつも出ていました。
私も同じところで首をかしげたので、時系列を整理しながら考えてみます。
正体を知りながら「追う側」にいたワケ
京子は6年前、取材で訪れた廃墟で、石のように固まっていたレンを再び見つけていました。
つまり「ガス人間が誰なのか」は、事件が起きるずっと前からわかっていたわけです。
一方で「誰がガス人間を作ったのか」「警察側にどこまで無風の関係者が食い込んでいるのか」は、京子自身もつかめていませんでした。
私の見方としては、京子の”知らないフリ”は演技というより、半分は本当に手探りだったのではないかと思います。
正体を隠しながら、まだ見えていない黒幕の輪郭を探るために、記者という仮面をかぶり続けていたんですよね。
記者という立場だからできたこと・隠せたこと
記者という職業は、事件現場に堂々と入り込めて、警察や関係者に話を聞ける特権的な立場です。
京子はこの立場を最大限に利用して、捜査の内側から情報を集めつつ、自分がレンに与える指示のタイミングまで調整していました。
もし京子が最初から「正体を知っている人」として動いていたら、間違いなく真っ先に疑われて身動きが取れなくなっていたはずです。
知らないフリを貫くことは、彼女にとって復讐を成立させるための必須条件だったと言えそうです。
京子の本当の目的は復讐だった|ホワイトセンターと蓮の過去
ここからは、京子がなぜそこまでの復讐に走ったのか、過去をたどっていきます。
正直、この背景を知ってしまうと、京子を一方的に責めきれなくなるんですよね。
27年前の施設で幼い京子が見たもの
27年前、京子は母親によって「ホワイトセンター」という福祉施設に預けられていました。
表向きは身寄りのない子どもを支援する施設でしたが、実態は過酷な労働を強いる場所だったとされています。
同じ部屋にいた少女が浄化作業のあとに命を落としてしまい、それをきっかけに京子は施設から逃げ出します。
幼い子どもが目の前で仲間の死を見てしまうというのは、想像するだけでも胸が痛くなる出来事です。
ガス人間(蓮)と過ごした親子のような時間
行き場を失った京子を助けたのが、ラーメン屋にいた青年・蓮でした。
二人はラーメンを分け合いながら、血のつながらない親子のような時間を過ごします。
京子にとって、この時間は人生でいちばん幸せだったと言っても大げさではないと思います。
しかしその蓮が、隕石処理の仕事を引き受けたことでガス人間になってしまい、京子はそれを目の前で見ていました。
大切な人が目の前で人間ではなくなっていく光景を見せられて、平気でいられる人はいないですよね。
いとしのエリーが鍵だった|京子がガス人間を操っていた方法
物語の中で象徴的に使われているのが、サザンオールスターズさんの「いとしのエリー」です。
もともとこの曲は、蓮と京子が一緒に過ごしていた時期に思い出として結びついた楽曲でした。
石のように固まっていたレンは、この曲が流れたときだけ人の姿を取り戻し、京子の願いを一つ聞き入れる、という関係になっていたんです。
6年前、京子が絶望のなかで「あの人を殺したい」という強い気持ちをぶつけたことがきっかけで、レンはその願いに応える存在になってしまったと考えられます。
以降、京子はファックスやメールで対象の情報を送り、曲を流すタイミングまで計算しながら、自分にアリバイを作りつつレンに指示を出していたようです。
かつて自分を守ってくれた恩人を、復讐の道具にしてしまったという構図が、この作品の一番切ないところだと思います。
なぜ京子は配信者の兄妹にガス人間の居場所を調べさせたの?
序盤から気になっていた人も多いと思うのですが、京子は最初からガス人間の居場所を知っていました。
それなのに、なぜオカルト系配信者の兄妹にわざわざ突き止めさせるという回りくどいことをしたのか、私も最初はモヤモヤしていました。
回りくどく見える4話に隠されていた意味
私なりに考えてみると、京子が欲しかったのは「場所」そのものではなく、「自分以外の第三者がガス人間にたどり着いた」という事実だったのではないかと思います。
京子一人がいくら真実を叫んでも、恨みを持った女性の妄想として片づけられてしまう可能性がありますよね。
だからこそ、拡散力のある配信者を経由させることで、個人的な復讐を「社会が発見した事件」に変える必要があったのだと考えられます。
ホストクラブや芸能事務所を巡る4話の展開は一見無駄に長く見えますが、京子の復讐が個人の恨みから公の事件へ変わっていく、いわば橋渡しの回だったと捉えると、少し見え方が変わってくるのではないでしょうか。
京子の上にいた”本当の黒幕”|三浦と組織「無風」
京子の黒幕っぷりが明らかになったあとに登場するのが、東京都知事の三浦です。
「無風」というのは、もともと三浦が警視総監の坂本守、ヤクザの組長・大友三郎と、高校時代に組んでいたバンドの名前でした。
遊びで始まった集まりが、大人になってそれぞれ政界・警察・裏社会のトップに上りつめ、ホワイトセンターの隠蔽を続ける巨大な悪へと育っていたんです。
京子の復讐は、結果的にこの無風の悪事を暴くきっかけになっていきます。
ただ、最後に追い詰められた三浦が電話で誰かに切り捨てられ、「俺も人間燃料か」とつぶやく場面があるんですよね。
黒幕だと思っていた三浦ですら、さらに上にいる誰かに使われていた駒にすぎなかった、という後味の悪さが残ります。
一人の黒幕を倒しても、また別の誰かがその椅子に座るだけ。
そんなやりきれない構造が、最後まで消えないまま物語は幕を下ろします。
京子は最後どうなった?ラストの白いガスが意味すること
最終話、京子は暴走を止められなくなったレンを、旧社屋の地下金庫へ自ら誘い込みます。
そこで大きな爆発が起こり、京子とレンの姿はどちらも見つからなくなってしまいました。
そして1年後、賢治が自宅で「いとしのエリー」を流した瞬間、部屋の隙間から白い煙のようなものが入り込み、人の形になっていく場面でドラマは幕を閉じます。
はっきりと断定はされていませんが、京子もレンと同じようにガス人間になって戻ってきたのではないか、という見方が広がっています。
黒幕として多くの命を利用してしまった京子ですが、その根っこには、幼いころに奪われた家族との時間への渇望があったんですよね。
だからこそ、憎めないというか、最後まで見届けてしまう不思議な魅力を持つキャラクターだったなと感じています。
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まとめ
ここまで、甲野京子がガス人間の黒幕だった理由と、”知らないフリ”の裏側について整理してきました。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
- ガス人間(レン)を操っていた黒幕は記者の甲野京子だった
- 京子はレンの正体を知りながら、まだ見えない黒幕を探るために”知らないフリ”を続けていた
- 27年前にホワイトセンターで過酷な体験をし、蓮と親子のような時間を過ごしていた過去がある
- 「いとしのエリー」が流れると、レンが実体化し京子の願いを叶える仕組みになっていた
- 配信者の兄妹に居場所を調べさせたのは、復讐を”社会が見つけた事件”に変える狙いがあったと考えられる
- 京子の上には都知事・三浦と、高校のバンド仲間が作った裏組織「無風」がいた
- その三浦ですら「もっと上の存在」に切り捨てられる描写があり、黒幕は多層構造だった
- ラストで白い煙が現れる描写から、京子もガス人間になった可能性が考察されている
見終わったあと、ずっと「いとしのエリー」が頭から離れなくなってしまいました。
黒幕という言葉だけでは片づけられない、京子の背負ってきたものの重さが、この作品をただの怪奇スリラーで終わらせていないのだと思います。
シーズン2があるなら、三浦の上にいる存在がどう描かれるのか、気になって仕方ありません。


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