『ドラゴンボール』の生みの親、鳥山明さんの自宅兼仕事場「バードスタジオ」で、解体工事が進んでいるそうです。
Xで足場に囲まれた黄色い建物の写真を見かけて、スマホをスクロールする手が止まりました。
あの建物、本当になくなっちゃうんですか。
SNSでは「解体の理由は相続税なのでは?」「家族のためなら仕方ない」と、いろいろな声が飛び交っています。
この記事では、解体工事についてわかっている事実と、世間で言われている理由を整理しながら、40代主婦の私なりの見立ても書いてみました。
鳥山明の自宅兼バードスタジオで解体工事が始まった
まずは、いま現地で何が起きているのかを整理しておきますね。
きっかけは、SNSに投稿された現地の写真でした。
清須市の道路占用許可書に書かれていた工事期間
2026年10月25日ごろから、愛知県清須市にあるバードスタジオの解体工事を写した写真が、Xに投稿されはじめたとのことです。
なかでも注目を集めたのが、現地に掲示されていた「道路占用許可書」の写真なんですよ。
道路占用許可書というのは、工事の足場などで道路の一部を使うときに、道路を管理する自治体から受ける許可のこと。
そこには、占用の目的として「鳥山バードスタジオ解体工事に伴う足場の設置」と書かれていました。
許可日は2026年10月19日で、工事の期間は10月21日から11月20日まで。
つまり、この記事を書いている今は、まさに工事の真っ最中ということになります。
10月28日には、通勤路にあるご自宅で解体作業が始まったのを見た、という地元の方の投稿もありました。
10月30日には足場がしっかり組まれた写真も出回っていて、工事は着々と進んでいるようです。
ただ、建物のどこまでを解体するのか、解体後の土地をどうするのかは、今のところ明らかになっていないようです。
黄色い壁と丸い外観で知られたバードスタジオ
バードスタジオは、鳥山明さんの自宅兼仕事場として知られてきた建物です。
鮮やかな黄色の壁に、丸みのあるフォルム。
写真で見るだけで「あ、鳥山作品の世界だ」と感じる、漫画のコマから抜け出してきたような見た目なんですよね。
『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』、『ドラゴンクエスト』のキャラクターたちも、ここから世界に羽ばたいていったとファンの間では語られています。
清洲城の天守閣からも見えていた、という地元の方の投稿もありました。
それだけ町の景色に溶け込んでいた建物だったということです。
毎朝の通り道にあった八百屋さんが、ある日突然フェンスに囲まれていたときの、あの心の置き場のなさに近いものを感じます。
バードスタジオ解体の理由は公式に発表されている?
ここがいちばん気になるところですよね。
解体の理由について、何か発表は出ているのでしょうか。
2026年10月30日時点で、私が調べた範囲では、ご遺族やバード・スタジオ、出版社などからの公式な発表は見当たりませんでした。
つまり、解体の理由は「公表されていない」というのが、いまの事実なんです。
思い返すと、鳥山明さんが2024年3月1日に亡くなられたときの発表でも、家族への取材は控えてほしいとお願いされていました。
葬儀は近親者のみで行われ、弔問や献花なども本人の意向で辞退されていたんですよね。
そう考えると、今回の解体について何も語られていないのは、むしろ自然な流れなのかもしれません。
私は、理由をあえて説明しないこと自体が、ご家族の「そっとしておいてほしい」という意思表示なのではないかと思っています。
「え、じゃあ相続税の話はどこから出てきたの?」という声が聞こえてきそうです。
私も最初、まったく同じところで首をかしげました。
鳥山明の自宅解体は相続税が理由?Xで広がる声
では、なぜ「相続税」という言葉がここまで広がったのでしょうか。
Xで見かけた声を、できるだけわかりやすく紹介していきますね(税金の専門家ではないので、あくまで世間の声の紹介です)。
「建物や土地が個人名義なら相続税の対象」という見方
話題の中心になったのは、へずまりゅうさんの投稿でした。
内容をざっくりまとめると、こんな趣旨です。
- 解体の背景には相続税が関係しているのでは、という声がある
- 著作権の多くが会社のものでも、土地や建物が個人名義なら相続税の対象になる
- ご家族が苦渋の決断を迫られたのかもしれない
この投稿は大きく拡散され、ほかにも「高すぎる相続税のせいで壊すしかなかったのでは」「本人が所得税を払って、亡くなったら家族が相続税を払うのは二重取りでは」といった声が続きました。
一方で、「住む人のいない家は傷むのが早いから、早めに解体するのは自然」「先生の家は観光スポットではない」と、冷静に受け止める投稿もあったんです。
ちなみに相続税は、遺産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えたときにかかる税金とされています。
ただ、鳥山明さんの遺産の額や、土地や建物が誰の名義なのかは、どこにも公表されていません。
なので、相続税がどれくらいかかったのか、そもそも解体と関係があるのかは、外からは誰にも判断できないんですよね。
相続税だけでは説明しきれない?時期から考えてみた
ここで、調べていて私がひとつ引っかかったことがあります。
国税庁の案内によると、相続税の申告と納付の期限は、原則として亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内とされているんです。
鳥山明さんが亡くなられたのは2024年3月1日。
今回の解体工事は2026年10月なので、そこから2年半以上がたっています。
もちろん、相続税には分割で納める方法などもあるそうなので、時期だけで「関係ない」とは言い切れません。
冷静な私は「税金のことは素人が口を出す話じゃない」と言い、野次馬の私は「でも、税金のためならもっと早く動いていたのでは?」とささやいています。
結局のところ、相続税がまったく無関係とは言えないけれど、「税金に追われて泣く泣く壊した」という物語だけで語るのは、ご家族に少し酷やと思うんです。
建物の維持の手間や防犯、これからの暮らしやすさなど、いくつもの事情が重なった上での決断だったのではないでしょうか。
「日本の文化財として残してほしい」と惜しむ国内外のファン
解体のニュースを惜しんでいるのは、日本のファンだけではありません。
「鳥山明の家とバードスタジオが解体されているようだ」と伝えるスペイン語の投稿が広まり、海外のファンからも嘆きの声が上がっているそうです。
国内でも「日本が遺すべき貴重な文化財では」「漫画家の芸術を国が守ってほしい」といった投稿が数多く見られました。
清須市長や愛知県知事、文化庁に向けて、保存を呼びかける投稿まであったほどです。
それだけ世界中の人の子ども時代に、鳥山明さんの作品が入り込んでいたということなんですよね。
バードスタジオ取り壊しは家族のためという見方
相続税説とは別に、「ご家族のための選択なのでは」と受け止める人も少なくありません。
実は私自身、こちらの見方にかなり近いんです。
場所が知られすぎていた自宅で暮らす大変さ
バードスタジオは、ファンの間では場所がよく知られた建物でした。
2024年の訃報の直後には、建物の前を訪れるファンの姿が報じられていたようです。
そもそも「鳥山」は本名で、珍しい名字のために自宅を突き止められることが多く、本名でデビューしたことを後悔していた、というエピソードも紹介されています。
Xでも「長いこと場所が知られていたから、ご家族は暮らしにくかったかもしれない」という投稿が見られました。
自分の家の前で、知らない人が毎日のように写真を撮っていたら……と想像すると、正直ちょっと落ち着かないですよね。
ベランダに洗濯物を干すのにも、いちいち気をつかってしまいそうです(私なら確実にカーテンを閉めっぱなしにします)。
10年ほど前に訪れたとき、奥さまが家の前を掃除していて挨拶を交わした、という思い出を投稿している方がいました。
……その光景、なんだか目に浮かびませんか?
世界的な漫画家の仕事場である前に、ここは家族が毎日を過ごす、ごく普通の「家」だったんだと思っています。
静かに見送ってほしいと願った鳥山明らしさ
鳥山明さんの訃報の発表文で、私の心に残ったのが「静謐(せいひつ)を望む本人の意向」という一文でした。
静謐とは、静かで穏やかなこと。
最期まで、にぎやかさより静けさを大切にした方だったんだろうなと感じます。
そんな鳥山さんが、自分の家が観光名所のようになることを望んでいたかというと……。
私は、ちょっと違う気がするんです。
「家族のため」の解体は、ご家族が普通の暮らしを取り戻すための、前向きな選択だったのではないでしょうか。
建物がなくなっても、悟空もアラレちゃんも、ページをめくればちゃんとそこにいます。
鳥山明が愛した地元・清須市と記念館を望む声
最後に、鳥山明さんと清須市のつながりを少し振り返っておきたいと思います。
地元との距離の近さがわかるエピソードが、いくつもあるんですよ。
清須市は2025年7月7日に市制20周年を迎えましたが、その記念ロゴをデザインしたのは鳥山明さんでした。
市が「ダメもと」で依頼したところ、快く引き受けてくれたと報じられていたようです。
最後まで地元を大切に思っていた方なんだな、と胸が温かくなります。
だからこそ、SNSには「市が買い取って記念館にしてほしかった」という声も上がっているんですね。
地元でささやかれた鳥山明の「道路伝説」
清須と鳥山明さんといえば、昔からファンの間で語られてきた、ちょっと面白い伝説があります。
『ドラゴンボール』の連載当時、鳥山さんの納税額があまりに大きかったため、引っ越されないように自治体が自宅から空港までの道路を整備した……というお話です。
今回の解体の話題の中で、近くで見ていたという方が「あれは都市伝説でした」と投稿していて、思わず笑ってしまいました。
税金にまつわる噂は、昔から鳥山明さんについて回っていたんですね。
今回の相続税説も、そんな「伝説好き」なファン心理の延長線上にあるのかもしれません。
記念館については、私は建物ではなく「作品で残す形」でもいいのではないかと思っています。
文化庁が漫画家540人に行った調査では、約9割が原画を自宅や仕事場で保管していると答えたそうです。
2026年4月には、文化庁が漫画家のちばてつやさんから原画など7万点を超える資料を借り受け、保管を始めたというニュースもありました。
正直、建物そのものよりも、中にあった原画や資料の行方の方が気になるんですよね。
鳥山さんの作品でいえば、2026年1月25日に幕張メッセで開かれた『ドラゴンボール』40周年のイベント「ドラゴンボール ゲンキダマツリ」で、カラー原画が展示されています。
原画がきちんと守られて、こうして人の目に触れる機会があるのは、ファンとしてほっとするところです。
たとえば清須市内の美術館で原画展を開いたり、市制20周年のロゴを使ったパネル展示を常設したりする形なら、鳥山さんらしい静かな記念になる気がします。
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まとめ
ここまで、鳥山明さんの自宅兼バードスタジオの解体について、わかっている事実と世間の声を整理してきました。
ポイントをまとめておきますね。
- 清須市のバードスタジオで2026年10月下旬から解体工事が進んでいる
- 道路占用許可書に記された工事期間は10月21日〜11月20日
- 解体の理由について、公式な発表は出ていない
- Xでは「相続税が理由では」という声が広がっている
- 時期から見て、税金だけが理由とは限らないと私は考えている
- 家族の暮らしを守るための選択だと見る声もある
- 鳥山明さんは清須市の20周年記念ロゴを手がけるなど、地元とのつながりが深かった
相続税の噂は、どうしても「税金に家を奪われた」という悲しい物語に見えがちです。
でも、理由が語られていない以上、私はご家族が静かに出した答えとして受け止めたいと思っています。
黄色いスタジオがなくなるのは、やっぱり寂しい。
それでも、鳥山明さんがくれたワクワクは、本棚の単行本を開けばいつでも戻ってきます。


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