「flumpoolのギタリストが訴えられてる?」
2026年10月20日の夜、こんな見出しが目に飛び込んできて、思わずスマホを二度見してしまいました。
訴えたのは、ピアニストで作曲家の大浦史記さん。
訴えられたのは、flumpool(フランプール)のギター担当、阪井一生さんです。
ネットでは「ゴーストライター」「令和の佐村河内」なんて言葉まで飛び交っていますが、正直なにがどうなっているのか分かりにくいんですよね。
この記事では、大浦史記さんと阪井一生さんの騒動を、8年間の時系列と裁判の経緯に沿ってわかりやすくまとめていきます。
大浦史記と阪井一生(flumpool)の騒動とは?何が起きたのかをざっくり解説
まずは「結局なにが問題なの?」という全体像からいきましょう。
骨組みだけ先に押さえておくと、あとの話がぐっと読みやすくなりますよ。
今回の騒動を3行でまとめると、こんな感じです。
- 大浦史記さんが、阪井一生さんの依頼でドラマの劇伴(場面に流れる背景音楽)を約8年作ってきたと主張
- 作曲者として自分の名前は表に出ず、楽曲は阪井一生さん名義で発表されていた
- ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』の1曲をめぐり、損害賠償を求めて提訴
ここで大事なのは、裁判はまだ続いていて、ゴーストライターだったのかは裁判所の判断待ちという点なんですよ。
それにしても、私が一番引っかかったのは舞台となったドラマなんです。
『対岸の家事』は、専業主婦の詩穂を主人公に、「やって当たり前、やらなきゃ気づかれる」家事という見えない仕事にスポットを当てたお話でした。
その音楽に、名前の見えない作り手がいたかもしれない。
……皮肉にもほどがあります。
私は、この騒動の根っこは「誰が作ったか」よりも、「名前を出すかどうかを最初に決めていなかったこと」にあるんじゃないかと見ています。
大浦史記と阪井一生はどんな人?2人の経歴とプロフィール
ここで、登場する2人をざっと紹介しておきますね。
「どっちも知らない」という方は、ここだけ押さえておけば十分です。
大浦史記の経歴|GIZA studioでバンド活動をしていたピアニスト
- 名前:大浦史記(おおうら ふみのり)
- 年齢:非公表
- 出身地:福岡県宗像市
- 職業:ピアニスト、作曲家、ピアノ講師
- 主な経歴:2011年にGIZA studioと契約し、バンド「Loe」「GiNkS」で活動。2017年から2023年まで「Academic BANANA」に在籍
現在は2027年発売予定のホラーゲームの音楽を手がけながら、ピアノ講師もしているとのこと。
ピアノ一本でバンド、講師、劇伴と渡り歩いてきた人だからこそ、「作品に名前が残る」ことへの思いは年々強くなっていったのではないでしょうか。
阪井一生の経歴|flumpoolの曲の多くを作曲してきたギタリスト
- 名前:阪井一生(さかい かずき)
- 年齢:41歳(2026年10月21日時点)
- 出身地:大阪府松原市
- 担当:flumpoolのギター、作曲
- 主な劇伴:『FNS27時間テレビ にほんのれきし』内のドラマ(2017年)、Netflix『未来日記』(2021年)、『対岸の家事』(2025年)
flumpoolは2008年に「花になれ」でメジャーデビューし、紅白歌合戦にも3回出場した4人組バンドです。
阪井一生さんは、そのほとんどの曲で作曲を担当してきたメロディメーカーなんですよ。
大浦史記が語る8年間を時系列で整理
ここからが本題、8年間に何があったのかを順番に見ていきます。
中身の多くは大浦史記さん側の証言なので、「公表されている事実」と「大浦史記さんの主張」を分けて整理してみました。
| 時期 | 出来事 | 区分 |
|---|---|---|
| 2017年9月 | 27時間テレビ内のドラマで阪井一生さんが劇伴を担当 | 公表済み |
| 2017年 | 大浦史記さんが10曲弱を制作、報酬は約2万円 | 大浦史記さんの主張 |
| 2021年〜2022年 | Netflix『未来日記』で約12曲を制作 | 大浦史記さんの主張 |
| 2025年1月18日 | 連名クレジットを求めるも、難しいと言われる | 大浦史記さんの主張 |
| 2025年4月 | 『対岸の家事』放送開始(音楽:阪井一生) | 公表済み |
| 2025年5月 | サウンドトラックCD発売 | 公表済み |
| 2025年9月 | 調停がまとまらず提訴 | 報道 |
| 2026年10月13日 | 東京地裁で本人尋問 | 報道 |
| 2026年10月20日 | 週刊誌報道のあと、2人がそれぞれXで発信 | 公表済み |
2017年『FNS27時間テレビ にほんのれきし』から始まった劇伴の仕事
大浦史記さんによると、阪井一生さんとの縁は音楽関係者からの紹介だったそうです。
最初の仕事は、2017年9月放送の『FNS27時間テレビ にほんのれきし』で流れたドラマの劇伴。
当初は「曲にピアノを足す仕事」だと思っていたのに、実際はゼロから作ることになった、と語っています。
納品したのは10曲弱で、報酬はおよそ2万円だったとのこと。
1曲あたり2,000円ちょっと。
思わず電卓を二度叩きました。
……何回叩いても2万円は2万円なんですけどね。
契約書もない口約束でしたが、当時は自分の曲がテレビで流れるのがうれしかったそうです。
2021年からのNetflix『未来日記』でも制作に関わったと主張
2回目の依頼は、Netflixの恋愛リアリティ番組『未来日記』だったそうです。
2021年のシーズン1、2022年のシーズン2で、合わせて約12曲を手がけたと主張しています。
ここでも作曲者として名前が出ることはなく、作った曲が実績として残らないことに、少しずつ不安を感じ始めたそうなんですよ。
2025年『対岸の家事』でクレジットを求めたことが分かれ道に
関係が大きく変わったのが、多部未華子さん主演のTBS火曜ドラマ『対岸の家事』でした。
大浦史記さんによると、依頼は2024年12月で、これまで通り16曲を制作したそうです。
そして2025年1月18日、「今回こそは」と、公式サイトやエンドロールに連名で名前を載せてほしいと伝えたとのこと。
返ってきたのは、表記は難しい、クレジットが必須なら白紙も考える、という趣旨の言葉だったといいます。
すでに16曲を納めたあとで、仕事がなくなる不安もあり、大浦史記さんは「今回は表記なしで了承するので、次回からはきちんと」と引き下がったと説明しています。
サントラや配信なら共作にできるかも、という提案もあったそうですが、2025年5月28日に発売されたサントラに収録された「声にならない想い」にも、大浦史記さんの名前は入らなかったとのことです。
さらにJASRAC(日本音楽著作権協会)を調べると、自分が作ったと考える過去の曲が阪井一生さん名義で登録されていたそうです。
説明どおりだとすると、私は1月の「白紙も」という返事こそが、8年続いた関係が崩れる決定打になったのではないかと思います。
提訴から本人尋問、X公表までの流れ
裁判所が間に入る調停も試みられましたが、合意には至りませんでした。
そして2025年9月、大浦史記さんは阪井一生さんを相手に訴訟を起こします。
2026年10月13日には東京地裁で本人尋問が行われ、阪井一生さんも出廷したそうです。
世間に一気に広まったのは2026年10月20日。
週刊女性PRIMEの報道後、大浦史記さんがXで提訴を公表し、阪井一生さんもその日のうちにXでコメントを出しました。
大浦史記と阪井一生の言い分はどこが食い違っている?
「で、どっちが正しいの?」と気になった方も多いですよね。
2人の言い分を並べると、食い違いのポイントは大きく3つに絞れます。
| 争点 | 大浦史記さん側 | 阪井一生さん側 |
|---|---|---|
| 誰が作曲したのか | 自分がゼロから作った | 作曲家は音楽監督とも言える。ピアノのデータ作りを作曲とは考えていなかった |
| 名前の表記 | 連名を求めたが実現しなかった | 過去に求められなかったので、こだわりはないと思っていた |
| JASRACへの届出 | 自分の曲が阪井一生さん名義で登録されていた | 著作権や契約は事務所に任せていた、との報道も |
料理番組に例えるなら、「監修:〇〇シェフ」と出るけれど、裏でアシスタントさんが下ごしらえから仕上げまでやっていた、みたいな構図ですね。
じゃあ、その料理の「作者」は誰なのか。
今回の裁判は、まさにそこを問われているんだと思います。
大浦史記の主張と裁判で求めていること
報道によると、大浦史記さんが裁判で求めているのは主に次の3つです。
- 「声にならない想い」をめぐる100万円の損害賠償
- 謝罪文の掲載
- サントラCDの在庫破棄と流通の停止
作曲家として知ってもらう機会を8年間失った、とも訴えているそうです。
なお、「声にならない想い」のJASRAC登録やApple Musicの作曲者欄は、すでに大浦史記さん名義に変わったという情報もあるようです。
本人尋問のあとには和解の話も出たようですが、大浦史記さんは阪井一生さんの説明に納得しておらず、和解に応じるつもりはないと報じられています。
阪井一生の法廷での説明とXのコメント
一方の阪井一生さんは、法廷で「ピアノだけでは楽曲として成り立たない」という考えを示したとされています。
過去にクレジットを求められなかったので、今回も強いこだわりはないと思っていた、という説明です。
ただ、クレジットを独断で進めた点は謝罪していて、白紙にしておけばよかった、という趣旨の発言もあったようです。
報道当日のXでは「双方に誤解が生じたことは事実」とし、裁判中のため詳細は控え、代理人弁護士と早期解決を目指すとコメントしました。
出典:阪井一生さんのX
私は、この裁判の焦点は「ピアノのデータを作ることが作曲にあたるのか」という線引きになると見ています。
楽曲はLINEで納品していたと報じられているので、そのやり取りにメロディの元がどこまで残っているかが鍵になるのではないでしょうか。
「ゴーストライター騒動」と呼ばれる理由とflumpoolの楽曲への影響
「ゴーストライター」という言葉が一気に広まった背景には、ある有名な騒動の記憶があります。
その比較と、flumpoolの曲への影響を整理しておきますね。
佐村河内騒動と似ているところ・違うところ
2014年、佐村河内守さんの名前で発表されていた曲を、実は新垣隆さんが作っていたことが明らかになり、大騒ぎになりました。
「表に出る人」と「作っていた人」が違うかもしれない構図が似ているため、「令和の佐村河内」と呼ばれているんですよ。
とはいえ、並べてみると違いもかなりあります。
| 比べるポイント | 佐村河内騒動(2014年) | 今回の騒動 |
|---|---|---|
| 作っていたとされる人 | 新垣隆さんが記者会見で代作を告白 | 大浦史記さんが提訴して主張 |
| 問題の範囲 | 多数の作品 | 訴訟の対象は劇伴1曲 |
| 表に出ていた側の反応 | 代理人を通じて、別人が作曲していたと公表 | 「双方に誤解」とし、ゴーストライターではないとの立場 |
令和の佐村河内。
キャッチーすぎて、つい言いたくなる気持ちは分かります。
……分かるけど、判決も出ていないのにそこまで言い切るのは、さすがに話を盛りすぎちゃいますか。
flumpoolの曲は関係ある?『花になれ』の作曲者表記も整理
ファンの方が一番気になるのは、「バンドの曲は大丈夫なの?」という点ですよね。
阪井一生さんは報道当日の夜、ファンに向けて改めてXを更新し、今回の件は個人の劇伴制作に関するもので、報じられている作曲家はflumpoolの楽曲制作には一切関わっていないと説明しています。
出典:阪井一生さんのX
デビュー曲「花になれ」は作詞・作曲とも百田留衣さんですが、これはデビュー当時から正式に表記されています。
隠れた作り手ではなく、ちゃんとクレジットされた作家さん。
今回の騒動とは、むしろ正反対の話なんですよ。
だからこそ私は、『対岸の家事』でも「音楽:阪井一生(flumpool)/作曲・ピアノ:大浦史記」のように並べて書いていれば、ここまでこじれなかったのではないかと思ってしまいます。
バンド活動への直接の影響は限られると思いますが、阪井一生さんが今後劇伴を手がけるときは、協力者の名前を細かく出す形に変わっていくのではないでしょうか。
大浦史記と阪井一生の裁判はこの先どうなる?
最後に、この裁判がどこへ向かうのかを考えてみます。
ここからは私の予想なので、そのつもりで読んでくださいね。
考えられる展開は、次のようなパターンです。
- 連名表記の追加などを条件に、和解で決着する
- 裁判所が「誰が作曲したのか」を判断し、判決が出る
- 判決に納得できない側が控訴し、長期化する
裁判所は改めて和解の場を設ける意向だと報じられています。
私の本命は、最終的には「名前を取り戻す」形の和解です。
請求内容を見ていると、一番求めているのはお金より名前に見えるんですよ。
ただ、大浦史記さんが和解を拒んでいる以上、判決まで進む可能性も十分ありそうです。
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まとめ
大浦史記さんと阪井一生さんの騒動を、時系列と裁判の経緯に沿って振り返ってきました。
ポイントを整理すると、こんな感じです。
- 大浦史記さんは2017年から阪井一生さんの劇伴を作ってきたと主張
- 27時間テレビ、『未来日記』、『対岸の家事』で大浦史記さんの名前は出なかった
- 2025年1月に連名を求めたが実現せず、同年9月に提訴
- 争点は「ピアノのデータ作りは作曲か」とクレジットの約束
- 阪井一生さんは「双方に誤解」とし、ゴーストライターを否定
- flumpoolの楽曲制作には関わっていないと説明
- 裁判は継続中で、結論はまだ出ていない
調べていて感じたのは、どちらか一方を悪者にすればスッキリする話ではない、ということでした。
「名前が出なくてもうれしい」から始まった関係が、8年かけて「名前を出してほしい」に変わっていった。
その気持ちの変化に、契約書のない約束が追いつけなかったんだと思います。
見えない家事を描いた『対岸の家事』の裏で、見えない作り手の物語が進んでいたかもしれない。
続報が出たら、またお伝えしますね。

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