キャンプ芸人として知られるヒロシさんと、人気の焚き火台ブランド「笑’s」が、オリジナル焚火台の制作を巡ってXで揺れています。
きっかけは、ヒロシさんの「アイデアをパクられた」という投稿でした。
その一夜明け、今度は笑’s側も自社の言い分を公開したんです。
双方の投稿を読み比べてみると、単純に「どっちが悪い」では片づけられない、行き違いの積み重ねが見えてきました。
この記事では、ヒロシさんと笑’sそれぞれの言い分と、私が調べて感じたすれ違いのポイントを、できるだけ分かりやすく整理していきます。
ヒロシと笑’sの間で何が起きたのか|焚火台トラブルの全体像
まずは、今回の騒動の流れを整理しておきますね。
発端は、2026年8月17日にヒロシさんがXへ投稿した一連のツイートでした。
ヒロシさんは、オリジナルの焚火台を作りたいと考え、具体的な形を提示して制作会社に依頼したそうです。
依頼を受けた会社が制作を開始したものの、その途中で「うちでも同じものを作る」と言われてしまったといいます。
驚いたヒロシさんは、それなら依頼できないと伝え、同じものは作らないという約束を取り付けて制作を続行。
無事に商品は完成したものの、契約書を交わす段階になって、改めて同じものを作ると言われてしまいました。
しかも、ロゴを変えて自社で販売するつもりだと聞かされたそうです。
ヒロシさんはこの経緯をXに投稿し、書かずにはいられなかった心境をつづっていました。
投稿は瞬く間に拡散され、複数のスポーツ紙やネットニュースがこの件を報じています。
そして翌8月18日の夕方、焚火台ブランド「笑’s」の公式アカウントが、自社の言い分をXに投稿しました。
笑’sはヒロシさんの投稿にも返信する形で、自分たちの言い分も書かせてもらった旨を伝えています。
ここから、双方の主張を見比べていきましょう。
なお、ヒロシさんは会社名を、笑’sは相手の名前を、それぞれ伏せた形で投稿している点は先に触れておきますね。
ヒロシの言い分|3回断ったのに約束を破られた悔しさ
まずは、ヒロシさんの投稿内容から整理していきます。
ヒロシさんの主張のポイントは、大きく3つあります。
- オリジナルの焚火台を作りたくて、具体的な形を提示した上で制作会社に依頼したこと
- 制作の途中で「同じものを作る」と言われ、抗議して一度は約束を取り付けたこと
- 商品完成後、契約書の段階になって改めて「同じものを作って自社で売る」と言われたこと
ヒロシさんによれば、同じものを作るならこの話はやめる、と伝えたのは1回や2回ではなかったそうです。
3回伝えたのに、状況が変わらなかった。
どういう思考なのかしら、とヒロシさんは投稿でつぶやいています。
ずっと我慢していたけれど、我慢の限界だった。
「悔しくて悔しくて悔しくて」とまでつづっていました。
相当な葛藤があったことがうかがえる言葉です。
さらにヒロシさんは、友人がナイフのアイデアを真似されたエピソードにも触れていました。
自分だけの話ではなく、ものづくりの世界でたびたび起きていることなのかもしれない、という含みを持たせた投稿です。
コメント欄では、意匠権や特許について弁理士に相談してはという声も寄せられていました。
これに対しヒロシさんは、意匠を取っても揉め事の種になっているし、顧問弁護士はいるものの、数十万円をかけて裁判に勝っても得るものは特にない、と諦めムードを見せています。
正直な胸の内を吐き出した投稿、という印象を私は受けました。
笑’sの言い分|3カ月かけた設計と契約書を巡る誤算
続いて、笑’s側の投稿を見ていきます。
笑’sの公式アカウントは、以前に何度か一緒にキャンプをしたことがある芸人から、焚火台を作ってほしいとLINEで連絡があったことを明かしていました。
その依頼を嬉しく受け止め、3カ月ほどかけて新しい構造を考え、いくつものサンプルを作って送ったといいます。
OKをもらった段階で材料も発注し、いよいよ製作へ、というところまで話は進んでいたそうです。
ここから、雲行きが怪しくなります。
契約書の知的財産権条項はなぜ「相手方に帰属」だったのか
笑’s側の説明によると、依頼者側から契約書が必要だと言われ、慣れないながらも自社で契約書を作成して送ったといいます。
しばらくして戻ってきた契約書を確認して、唖然としたそうです。
知的財産権は笑’sではなく相手方に帰属すると書かれていた。
しかも、図面まで相手方に帰属する内容になっていた。
3カ月以上かけて考えたものを、そう簡単に渡せるだろうか、という戸惑いが投稿にはつづられていました。
ここだけ聞くと、なぜそんな条項を、と思う方もいますよね。
実はこれ、契約実務としてはそこまで珍しい話ではないんです。
デザインや設計の委託契約では、実際に手を動かして形にした側、つまり今回でいう笑’sに、意匠登録を受ける権利が原則として発生します。
発注した側に自動的に権利が渡るわけではなく、契約書で明確に取り決めない限り、権利の帰属はもめやすいポイントなんですよね。
つまりこの条項自体は、特別に意地悪な内容というより、実務上よくある「権利をどちらが持つか」の綱引きだったのではないか、と私は見ています。
双方が事前にこの点をすり合わせられていなかったことが、今回のボタンの掛け違いの根っこにあるように感じました。
設計料も試作料も一切受け取っていないという主張
笑’s側の投稿には、もうひとつ引っかかっていた点が書かれていました。
自社が独自に開発した構造については、後々サイズ違いなども自社で作ると事前に伝えてあったのに、サイズ違いも材料違いもダメだと言われた。
コラボという形もダメだと言われた。
そこには納得がいかなかった、という趣旨の説明です。
焚火台は、どこにでもある鉄板やカップとは違う。
作り手が試行錯誤した工夫やアイデアが入っているのだ、とも書かれていました。
その後は連絡が途絶え、結果として契約は成立せず、笑’sは改良を加えたうえで自社商品として新発売したといいます。
デザインを盗まれたと言われても、もらったのは作りたいコンセプトであって、意匠権を主張できるようなものはない。
笑’s側はそう反論したうえで、最後をこう結んでいました。
設計料もデザイン料も試作料も、一切受け取っていない。
「今はただただ悲しいです」という言葉で締めくくられています。
企業としての誇りと悔しさがにじむ、静かな結びだったように思います。
ヒロシと笑’s、言い分はどこですれ違っているのか
ここまでの内容を整理すると、双方の主張がぶつかっているポイントが見えてきます。
ヒロシさん側は、同じものは作らないという約束を3回も交わしたはずなのに反故にされた、という信頼関係の裏切りを問題視しています。
一方の笑’s側は、無償で3カ月かけて設計・試作したにもかかわらず、対価も権利も一切もらえないまま終わることに納得がいかない、という労力とお金の問題を訴えています。
どちらも「約束が違う」と感じている点は共通しているのに、何を約束と捉えていたかがすれ違っているように、私には見えました。
ヒロシさんにとっての約束は「同じ製品を作らないこと」。
笑’sにとっての約束は「対価や権利についての取り決め」。
このふたつは、本来は同じ契約の中で一緒に決めておくべき話です。
それを、口約束とLINEのやり取りだけで走り出してしまった。
そこに、すれ違いを大きくした原因があったのではないでしょうか。
キャンプ仲間としての信頼関係があったからこそ、逆に「契約書はあとで」となってしまった。
そんな側面もあったのかもしれません。
焚火台メーカー笑’s(キャンプ用品会社)とはどんな会社か
ここで、笑’sというブランドについても紹介しておきますね。
笑’sは、埼玉県戸田市にある板金加工会社「有限会社昭和プレス」が展開するアウトドアブランドです。
昭和プレスは1962年創業の、家具用の金属プレス加工などを手がける町工場でした。
2008年のリーマンショックで仕事が激減し、廃業寸前まで追い込まれたことをきっかけに、二代目社長の高久笑一さんが趣味で自作していた焚火台を商品化。
これが「笑’s」というブランドの始まりだったそうです。
2008年12月に「ちび火君」、翌2009年4月には代表作となる「B-6君」を立て続けに発売しました。
蝶番や溶接を使わない折りたたみ構造と、職人の板金技術による軽さと丈夫さ。
この2つを武器に、多くのキャンパーから支持されてきたブランドなんです。
アニメ「ゆるキャン△」の作中で主人公が愛用する焚き火台として登場したことでも一気に知名度が上がり、コラボモデルが数十秒で完売したこともありました。
ちなみに笑’sは2023年、他社によるコピー品の増加を受けて「町工場プライド品質」を宣言しています。
模倣される側の痛みを、誰よりも知っている会社でもあるわけです。
ヒロシも長年愛用してきたブランドだった
実は、ヒロシさんも笑’sの「B-6君」を長年愛用してきた一人なんです。
ヒロシさんがソロキャンプを始めるきっかけになった焚火台として、動画やインタビューでたびたび紹介してきたのが、この「B-6君」でした。
いわば、ヒロシさんのキャンプスタイルの原点に近い場所にあったブランドといえます。
長年信頼して使い続けてきたブランドだからこそ、今回オリジナル焚火台の制作を依頼したのも自然な流れだったのでしょう。
だからこそ今回のトラブルは、単なるビジネス上の行き違いというより、積み重ねてきた信頼関係が崩れてしまった出来事のように、私には映りました。
笑’sってどんな会社?詳しくはこちら⬇︎
▶︎ 笑’sはどんな会社?評判や口コミ&ヒロシとの関係も徹底まとめ!
SNSの反応は?ヒロシ派と笑’s派、世間の声を集めてみた
今回の騒動には、Xを中心に数多くの反応が寄せられています。
大まかに見ると、意見は真っ二つに割れている印象です。
ヒロシさんに理解を示す声としては、同じものを作らないと3回も約束したなら守るべき、といった、約束を破ったこと自体を問題視する意見が目立ちました。
番組でもアイデアを話さないほど気をつけていたのに気の毒だ、という同情の声も見られます。
一方で笑’s側に理解を示す声としては、試作費すら払われていないなら気の毒、デザインを形にする技術者の仕事を軽視しすぎ、アイデアだけでは製品にならない、といった、ものづくりの労力を評価する意見が多く見られました。
ヒロシさんが返信の中で相手を強い言葉で表現した投稿があり、そこに反発する声も少なくありません。
なかには、どちらも一方的な被害者とは言えない、お互いに権利関係を詰めていなかった落ち度がある、という冷静な意見も見つかりました。
そもそも当事者間の問題をSNSで拡散する前に、話し合うべきだったのでは、という指摘もあります。
これは、どちらか一方ではなく双方に向けられた声なんですよね。
考え方の違いがはっきり分かれるテーマだからこそ、これだけ賛否が割れているんやと思うんですよね、正直。
まとめ|ヒロシと笑’sの騒動、この先どうなるか
最後に、この記事で分かったことを整理しておきます。
- ヒロシさんはオリジナル焚火台を制作依頼し、途中で「同じものを作る」と言われて抗議、一度は約束を取り付けたと主張
- 完成後の契約段階で再び「同じものを作って自社で販売する」と言われ、Xで経緯を公表した
- 笑’s側は3カ月かけて無償で設計・試作したにもかかわらず、対価も権利も得られなかったと反論
- 戻ってきた契約書で知的財産権も図面も相手方に帰属とされ、受け入れられなかったという
- 契約書の権利条項は、実務上そこまで異例なものではない可能性がある
- ヒロシさんは長年笑’sの「B-6君」を愛用しており、両者にはもともと接点があった
- SNSの反応は真っ二つに割れており、双方に一定の理解を示す声も見られる
今回の一件を振り返って感じたのは、これはどちらかが完全な悪者、という単純な話ではないということです。
信頼関係を前提に、口約束とLINEのやり取りだけで進めてしまったこと。
そこに、すれ違いの本質があるように思います。
ヒロシさんは意匠を取ることにも裁判にも消極的な姿勢を見せていますし、笑’s側も「今はただただ悲しいです」という言葉で投稿を締めくくっていました。
大ごとにしたいわけではなく、感情のもつれをそれぞれの立場でSNSに吐き出してしまった。
そんな側面が大きいのではないか、というのが私の見立てです。
この記事を書いている時点では、笑’sの投稿を受けてヒロシさんが新たに発信した様子は確認できていません。
今後は法的な争いに発展するというより、水面下でのやり取りに戻っていく可能性のほうが高いのではないかと、個人的には予想しています。
長年キャンプを通じてつながってきた両者だからこそ、いつか歩み寄れる日が来ることを願わずにはいられません。
▶︎ ヒロシのアイデアをパクったキャンプ用品会社はどこ?オリジナル焚火台がロゴ変えて完成に激怒!


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