Netflix「地獄に堕ちるわよ」、観ましたか?
戸田恵梨香さん演じる細木数子さんの半生を描いたドラマなんですが、これがもう「え、これって実話なの?」「さすがにここまではフィクションでしょ?」の連続で……。
どこまで実話でどこがフィクションなのか、どこが違うのか気になりすぎて、ちゃんと調べてみました。
原作や元ネタとなった書籍のことも含めて、視聴者目線でぐりぐりと深掘りしていきます!
「地獄に堕ちるわよ」はフィクションと公言されている!まずそこから整理
まず最初に「これが大前提」という話をさせてください。
このドラマ、実はちゃんと「フィクションです」と宣言されているんです。
冒頭テロップと養女・細木かおりさんの証言が決め手
ドラマ第1話の冒頭、テロップが出るんですよね。
「この物語は事実に基づいた虚構である」
……って。
いや、これ最初から言ってくれてるじゃないですか(笑)。
あと、細木数子さんの養女である細木かおりさんが、自身のYouTubeチャンネルでかなりはっきりと語っています。
制作側から事前に受けた連絡として、「(細木数子さんを)綺麗に美談として描くつもりはありません」「これはフィクションとして制作します」と伝えられていた、と。
養女とはいえ、後継者として現在も活躍されている方がそう語っているのは、かなり信憑性がありますよね。
つまりこのドラマは最初から「完全実録」ではなく、「実話をベースにしたエンターテインメント」として制作されているんです。
これを踏まえた上で「じゃあどこが実話でどこがフィクションなの?」を見ていきましょう。
実話として描かれている部分はここ
大きな骨組みの部分は、かなり史実に沿っていると言われています。
細木さんの人生の「流れ」そのものは実話ベース。
「その中で何を考え、誰に何をしたか」の細かい部分が脚色、という感じです。
戦後の貧しい少女時代と銀座の夜の世界へ
ドラマは戦後すぐの時代、1946年から始まります。
焼け野原の東京で飢えながら生き抜く少女時代の描写があるのですが、これは史実をベースにしています。
細木数子さんは1938年4月4日生まれ、東京・渋谷の出身。
戦後の貧しい環境の中で育ち、17歳で神田のキャバレーで働き始めたとされています。
そこからスタンドコーヒーの店「ポニー」を開店し、新橋のクラブへ、そして銀座へ。
着々と夜の世界で頭角を現していく流れは、実際の細木さんの経歴と一致しています。
途中、男性に騙されて巨額の借金を背負うエピソードも出てきます。
細木さんの自伝『女の履歴書』には詐欺被害に遭い巨額の損失を受けた経緯が記されており、「金銭トラブルで大きな損失を受けた」という点は実話ベースとみられています。
ただし細かいディテールは諸説あり、信頼性に乏しい部分も含むとジャーナリストの溝口敦さんは指摘しています。
六星占術の誕生と芸能界・政財界との深いつながり
六星占術は細木さんが独自に編み出したとされる占術で、これはもちろん実話です。
著書の累計発行部数は6500万部以上(KKベストセラーズ発表による)に上るとされ、「占いの本を世界一売った人」としてギネスブックにも掲載されています。
芸能界や政財界との深いパイプについても、実際に語られていた事柄。
2000年代には「ズバリ言うわよ!」などのテレビ番組を持ち、「視聴率女王」と呼ばれていたのも本当の話です。
島倉千代子さんとの出会いと巨額借金の後見人になった経緯
ドラマの後半の山場になるのが、島倉千代子さんとの関係性です。
第6話あたりから登場し、物語が一気に加速するのですが……これも実話ベースの部分が多いんです。
史実として伝えられているのは、島倉千代子さんが恩人の保証人になったことで多額の負債を背負い、苦しんでいたこと。
1977年、新宿コマ劇場での公演中に債権者に囲まれた島倉さんのもとに細木数子さんが駆けつけ、借金整理に動いたというのが実際の出会いです。
「細木数子さんが島倉千代子さんの後見人になった」という事実は史実ベース。
ただし、ドラマで描かれる「橋の上での劇的な出会い」などの演出については、脚色が加えられているとみられています。
史実では、島倉さんは数年で細木さんのもとを離れ、その後1987年に「人生いろいろ」を発表して大ヒットを記録しています。
さすがにこれはフィクションでしょ?と思わずツッコんだ場面
ここからが私が一番書きたかった部分(笑)。
「いや、さすがにこれは盛りすぎでしょ?」「現実にこんな人いる?」ってなった場面、正直いっぱいあるんですよ。
会話の内容・感情表現・ドラマチックすぎる運命的な出会い
ドラマを観ていて「あ、ここは絶対作り話だな」ってわかるのが、登場人物同士の会話の場面です。
実際の出来事が起きていたとしても、そのときに誰が何を言ったかなんて、正確には記録に残っていません。
「あんた、地獄に堕ちるわよ!」という決めゼリフも、あのタイミングであの言い方でどこかで言ったのかもしれませんが、ドラマとして演出されている部分は間違いなくあります。
それから、細木さんと島倉千代子さんの「橋の上での出会い」も、史実とは異なる演出です。
実際は新宿コマ劇場で債権者に囲まれていた島倉さんを助けに行ったことが出会いとされていて、「橋の上で命がけで救った」というシーンはドラマ的な創作とみられています。
監督の瀧本智行さんご自身も取材でこう語っています。
「いくらフィクションでもここまでは見たくないだろう、という線引きはした。あまりにダークすぎるエピソードは取捨選択し、ドラマとして彼女を愛せるキャラクターにするために昇華させている」
……つまり、実際にはもっとダークなエピソードもあって、それを選んで削っているということなんですよね。
「この程度でも十分すごい」と思ってるのに、削られた後の話でこれ(汗)。
1人の登場人物に複数の実在人物を混ぜ込む設定
これ、フィクション作品でよく使われる手法なんですが、知ると「あー、そういうことか」ってなります。
ドラマに登場する人物の中には、実在の複数の人物をひとりのキャラクターに集約したと思われるケースがあります。
たとえば、架空の作家・魚澄美乃里さんは実在しない人物ですが、実際に細木さんの素顔を取材したジャーナリストや、彼女と関わった作家たちの要素が混ざり合っていると考えられます。
実在の人物をそのまま描くのが難しい場合に、「複数の人物を一人のキャラクターとして描く」のはフィクション作品の常套手段。
そうとわかって観ると、登場人物の役割が少し見えてきて、また違う楽しみ方ができます。
原作や参考文献はあるの?「女の履歴書」と「魔女の履歴書」とは
「そもそもこのドラマ、原作小説があるの?」って思っている方も多いと思います。
結論から言うと、特定の小説を「原作」とした作品ではありません。
ただし、制作にあたって参考にされた重要な書籍が2冊あります。
| 書籍名 | 著者 | 内容 |
|---|---|---|
| 女の履歴書 | 細木数子 | 細木さん本人による自伝的な一冊。幼少期から夜の世界、芸能界との関わりまで「私はこう生きてきた」という視点で書かれている |
| 細木数子 魔女の履歴書 | 溝口敦 | ノンフィクション作家による評伝。お金・人脈・権力・スキャンダルまで踏み込んで描かれた、裏側に迫る内容 |
監督の瀧本智行さんは、Netflixからこの2冊と大量の雑誌記事を手渡されたと語っています。
「細木さんの自伝『女の履歴書』と、彼女の裏の顔を暴いた評伝『魔女の履歴書』。この表と裏の履歴書をベースに彼女の人生を再構築しました」
表の顔と裏の顔、両方の資料をもとに作られたドラマ。
だからこそ「どこまで実話でどこがフィクションか」の境界線が絶妙にぼやけていて、観ながら「これは本当にあったこと?」と何度もなってしまうんですよね。
細木数子さんってそもそもどんな人?知らない人のためにざっくり解説
「細木数子さんって名前は知ってるけど、具体的にどんな人?」という方のためにざっくりご紹介します。
細木数子(ほそきかずこ)さん(1938年4月4日〜2021年11月8日)
独自の占術「六星占術」を生み出した占術家です。
東京・渋谷生まれ。戦後の貧しい環境から夜の世界で頭角を現し、「銀座の女王」と呼ばれるまでになった後、占い師として一世を風靡しました。
2000年代前半のテレビが特に印象的で、「ズバリ言うわよ!」「幸せって何だっけ」といった番組を持ち、芸能人を真っ向から叱り飛ばすスタイルで社会現象を巻き起こしました。
「あんた間違ってる!」「地獄に堕ちるわよ!」
……今の感覚だと「それ、地上波でやっていいの?」ってなりますよね(笑)。
六星占術の著書は累計6500万部以上(KKベストセラーズ発表)とされ、「占いの本を世界一売った人」としてギネスブックに掲載されるほど。
一方で、反社会的勢力との関係が疑われる報道や、ノンフィクション作家・溝口敦さんによる告発連載(後に書籍「魔女の履歴書」として刊行)なども話題になり、2008年3月にレギュラー番組を終了。
その後、テレビから姿を消していきました。
2021年11月8日、83歳で亡くなっています。
養女の細木かおりさんが現在、六星占術の後継者として活動を続けています。
「むしろフィクションであってくれ!」と思う理由、わかる
ドラマを全部観終わった後、不思議な気分になりませんでしたか?
「フィクションです」ってテロップが最初に出てるのに、「これ、もしかして全部本当のことなんじゃ…?」って背筋がうっすら寒くなる感じ。
私はなりました(汗)。
「さすがにこんな人、現実にいないでしょ」と思いながら観ているのに、調べれば調べるほど「実際の細木数子さんもかなりの人だった」という事実が出てくるんですよね。
あるドラマ視聴者の感想がすごく刺さったんですが、「むしろフィクションであってくれ!って思うくらい内容がおっかなかった」って。
……わかりすぎる(笑)。
フィクションと公言しているドラマなのに「これ本当の話じゃないよね?」と何度も確認したくなる、そのループが「地獄に堕ちるわよ」最大の恐ろしさかもしれません。
そしてもうひとつ、これは私が観ながらずっと感じていたことなんですが。
ドラマに登場する「細木数子さんに関わる人たち」、みんなクセが強すぎる(笑)。
怪しい人脈、裏社会の匂い、権力を持った男たち……。
「こんな人たちが実際にいたの?」ってなるんですが、時代背景を調べると「昭和ってそういう時代だったんだ」って妙に納得させられる部分もあって。
令和の感覚で観ると「ありえない」なのに、昭和の文脈に置くと「ありえる」になってしまう怖さ。
そこがこのドラマの面白さでもあるし、ちょっと引っかかりが残る部分でもあります。
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まとめ
「地獄に堕ちるわよ」の実話とフィクションについて深掘りしてきましたが、整理するとこうなります。
- ドラマの冒頭テロップに「事実に基づいた虚構」と明記されており、フィクションと公言されている
- 養女・細木かおりさんも「フィクションとして制作する」と制作側から伝えられたことを証言している
- 細木さんの人生の「骨組み」(幼少期・銀座・六星占術・テレビでの活躍)は史実ベース
- 会話の内容・感情表現・出来事の細かいやりとりは脚色が加えられているとみられる
- 原作小説はなく、細木さんの自伝「女の履歴書」と告発本「魔女の履歴書」の2冊が主な参考資料
- 島倉千代子さんとの出会いは「橋の上での救出劇」ではなく、史実では新宿コマ劇場での借金整理がきっかけ
- 「1人の登場人物に複数の実在人物を混ぜ込む」手法もフィクション的脚色のひとつ
ひと言でまとめると、「実話の骨格+ドラマとしての肉付け」という作りです。
調べながら改めて思ったのは、フィクションと分かっていても「本当にあったことかもしれない」と感じさせてしまうのは、細木数子さんという人物の実人生がそれだけ濃かったからなんじゃないかということ。
「現実の方がドラマより濃い」なんてよく言いますが、このドラマに関してはその言葉がやけにリアルに感じられました。
観てまだ「どこまで本当なの?」が気になる方は、元ネタの「魔女の履歴書」を読んでみるのもおすすめです。
ドラマとはまた違う「生々しさ」があって、これはこれでなかなかのものです(笑)。


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